研究データ管理とは

研究データ管理とは

研究データとは

研究データは、研究の過程、あるいは研究の結果として収集・生成される情報であり、研究者と学術機関の両者に適切な管理が求められています。
本学の「研究データ管理・公開ポリシー」においては、「研究データ」を「本学における研究活動を通じて研究者が収集・生成したデータをいい、デジタル/非デジタルを問わないものとする。」と定義しています。具体的には、以下のような情報が含まれます。どのようなデータを管理・公開の対象とするかは、各部局・分野の事情に応じて適用範囲を定めてください。

  • 研究素材として収集又は生成・観測された一次データ
  • 一次データ等を加工あるいは情報追加して生成されたデータや、一次データ等を分析してできたデータ等
  • 上記データの収集や生成の段階で作成された記録(実験ノート、フィールドノート、質問票等)
  • 研究成果(論文や講演資料等)に記載された情報の根拠データ
  • 研究に用いられた有体物等(試料、標本等)

研究データ管理・公開の意義

研究データ管理というと面倒なイメージを持つ方も多いかもしれませんが、研究者自身にとって、以下のような意義やメリットがあります。

  • 研究データを適切に管理することは、自身の研究が正しく行われているということを検証できる状態にしておくことであり、これは、自身の研究の公正性を主張できるという意味で、研究を守ることになります。
  • 学術雑誌に続き、研究データに関しても商業出版社によるビジネス化の大きな流れが世界的に始まっており、それらに対抗する必要性も高まっています。研究データを自らの管理下に置いておくことは、データを守り、ひいては研究活動を守ることにつながります。
  • 研究者個人や研究室、研究プロジェクト等において研究データ管理の基本的ルールを決め、適切に保存・利用・共有することは、研究の効率化につながります。
  • 研究データを公開して多くの人に利用してもらうことにより、その研究自体の価値が高まります。

研究データ管理・保存・公開に関する4つの要求

研究データ管理計画(Data Management Plan, DMP)の提出

研究の実施段階から終了後に至るまで適切に研究データを管理できるよう、研究助成機関から研究データ管理計画(Data Management Plan, DMP)の提出が求められるようになっています。科学研究費においても、2024年度より、全研究種目で交付申請時にDMP提出が必須となる予定です。

研究公正

研究活動における不正行為への対応や健全性の向上、透明性の確保の観点から、研究データの管理・保存・公開が求められています。九州大学では「研究データの保存等に関するガイドライン」が定められており、論文の根拠となる研究データの保存期間は、原則として論文等の発表後10年間となっています。

投稿論文における根拠データの開示

多くの学術誌が、データポリシーにおいて、信頼性のあるリポジトリに根拠データを保存し公開することを求めるようになっています。

研究データのオープン化

オープンサイエンスの世界的な潮流の中で、研究データのオープン化に対する社会的な要請が高まっています。「第6期科学技術・統合イノベーション基本計画」(内閣府、令和3年3月26日閣議決定)においても、オープン・アンド・クローズ戦略に基づく研究データの管理・利活用により、データ駆動型研究の加速化や、市民等の多様な主体が参画した研究活動の発展を目標に掲げています。オープンサイエンスの推進はコロナ禍によりますますその重要性・必然性を増しています。

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