九州沖縄地区国立大学の研究力向上のためのプラットフォームである九州・沖縄オープンユニバーシティ(KOOU)は、2024年8月に4つ目のワーキンググループとなる研究データ管理・利活用WG及び同推進連絡会を設置し、九州地区の大学における研究データ管理・利活用体制構築を支援する取り組みを進めています。
研究データ管理・利活用WGは活動の一環として、2025年2月13日(木)~14日(金)、沖縄県那覇市のオリオンホテルにて、研究データ管理・利活用のスタートアップワークショップを開催しました。
今回のワークショップでは、推進連絡会のメンバーを中心に、研究推進部署やURA、図書館など各大学で研究データ管理に携わる部署の教職員総勢37名が参加し、様々な課題に対する解決方策を議論するとともに、KOOU内での連携体制や今後の活動について検討を行いました。
【開催概要】
日時: 2025年2月13日(木)13:00 ~ 2月14日(金)13:00
場所: オリオンホテル那覇(沖縄県那覇市)
参加者:
KOOU研究データ管理・利活用WG参加大学から9大学28名
事例発表者・金沢大学1名、名古屋大学2名、九州大学2名(オンライン1名含む)
オブザーバ・NII 1名、福岡教育大学3名 など 計 37名
プログラム:
<1日目>
各大学からの進捗報告、事例紹介(豪州シドニー工科大学、名古屋大学)、グループ討議
<2日目>
事例紹介(金沢大学、英国エディンバラ大学)、グループ討議、今後の活動について
グループ討議テーマ:
1日目: 大学内での意識醸成・研究者への啓発、データストレージ
2日目: ポリシーの実効化、データ公開までのプロセス
1日目は、2024年11月に行った情報交換会の振り返り、各大学からの進捗報告、論点・課題整理ののち、事例紹介を行いました。
九州大学附属図書館の佐野直樹氏からは、豪州シドニー工科大学への訪問調査から得られた研究データ管理の支援事例として、同大学のサービスや支援体制の紹介、学内意識醸成の取組などが報告されました。
名古屋大学情報連携推進本部情報戦略室の青木学聡教授と名古屋大学情報基盤センターの淺川槙子特任助教からは、「研究データエコシステム東海コンソーシアム」の支援事業および名古屋大学における事例の紹介がありました。
続いて、テーマごとに分かれてグループ討議を行いました。「大学内での意識醸成・研究者への啓発」のテーマでは実施状況の可視化により評価につながる仕組みの提案などの論点について活発に議論されました。「データストレージ」については、それぞれの状況を共有し、長期運用や容量などについての共通した課題について意見を出し合いました。
2日目の事例紹介として、金沢大学先端科学・社会共創推進機構の長井圭治特任准教授からは、金沢大学学術データポリシーの改訂とその実施細則・ガイドラインの策定についての紹介がありました。
九州大学附属図書館の岡村菜々子氏からは、英国訪問調査で収集したエディンバラ大学における研究データ公開・オープンアクセスの事例が報告されました。
続くグループ討議は「ポリシーの実効化」と「データ公開までのプロセス」に分かれて行いました。「ポリシーの実効化」のグループでは、異動する教員のデータの取扱、図書館・研究推進・情報システムそれぞれの協力体制などについて意見交換がありました。「データ公開までのプロセス」では、研究データの公開に関して具体的な例をあげて話し合われました。
ワークショップの終盤では、今後の活動として、各大学での研究データ管理に関する事例を出し合い共有することや、KOOU内の持ち回りで勉強会などを行っていくことが提案、合意されました。次回は大分大学を当番として開催予定です。
2日間にわたるワークショップを通じて、大学や部署を超えた、対面ならではの密度の濃い交流ができ、KOOUの他のWGとのコラボレーションのアイディアも出されるなど、さらなる発展に向けて非常に有益な機会となりました。
今回のKOOU-RDMスタートアップワークショップ #1は、AI等の活用を推進する研究データエコシステム構築事業研究データ管理スタートアップ支援事業の経費により開催しました。





