国の即時OA方針により、科研費などの競争的研究費制度の助成を受けた研究成果の即時オープンアクセス化への対応が求められる中、データ公開基盤としての機関リポジトリ等の役割がますます増大することが予測されます。
弊部門では、2025年5月19日(月)、九州大学伊都キャンパス 伊都ゲストハウス 多目的ホールにおいて、ウィーン大学コンピューターセンターITサポート部門のRaman Ganguly部門長およびEva Gergely氏をお招きし、リポジトリシステムでのデータ公開についてのワークショップを行いました。当日は全国から35名が参加しました。
今回のワークショップでは3つのセッションに分けて講義と演習が行われました。
「セッション1: PHAIDRAの概要」では、研究データ管理の意義やFAIRデータ原則の説明に続き、ウィーン大学のリポジトリシステムであるPHAIDRAについて詳細な解説がありました。メタデータは、8つの必須項目を含む約80項目があり、アクセス管理については複数の制限公開オプションを選択できる仕様となっています。
続く「セッション2: データ登録の手順と登録されたデータのチェック方法」では、今回のために用意して頂いたPHAIDRAのデモシステムとサンプルデータを用いて、グループに分かれて研究データ登録に必要なメタデータ付与を行い、続けて他のグループが付けたメタデータをチェックするデータキュレーションを行いました。データ内の情報のみで適切なメタデータを付ける難しさに戸惑う参加者が多かったようです。
「セッション3: Data Stewardの概要」では、データ管理におけるワークフローの中でデータ生成、データ受入、データ管理、データ再利用の4つのフェーズがあり、各フェーズにおいてData Champion(データ生成)、Data Steward(データ受入)、Data Librarian(データ管理)、Data Curator(データ再利用)などの役割があるという説明がありました。ウィーン大学ではそれぞれ専門分野に特化したData Stewardが在籍し、研究者や研究支援スタッフを対象としたData Steward養成プログラムの紹介もありました。
今回のワークショップでは実際のリポジトリシステムを用いて演習したことにより、理解がより深まったように感じます。PHAIDRAではデータのアップロードおよびメタデータの入力は実際は研究者が行うため、研究者の意識醸成とそれらを支援する体制の構築が重要だと感じました。
今回の研究データ管理ワークショップは、AI等の活用を推進する研究データエコシステム構築事業研究データ管理スタートアップ支援事業の経費により開催しました。













